犬は自分の症状を話せません。だから診察は、飼い主からの情報——問診で大きく左右されます。限られた診察時間で正確に伝えるために、家を出る前に準備しておきたいことをまとめました。
診察前チェックリスト
数字で答えられるようにしておくこと
- いつから: 症状に最初に気づいた日時
- 頻度・回数: 嘔吐は何回、下痢は何回、咳は1日に何度くらい
- 食事: 直近数日の あげた量/食べた量(g)
- 水分: 直近数日の飲水量(ml)。ふやかしの水も含めた合計
- 体重: 最近の値と、以前からの変化
- 薬: 服薬中の薬の名前・量・最後に飲ませた時刻(お薬手帳や薬袋を持参できるとベスト)
すべて揃わなくても構いません。ただ「たぶん」「いつもより少ないと思う」が「昨日は合計180ml、普段の6割くらいです」に変わるだけで、伝わる情報の質は大きく上がります。
言葉より写真・動画が有効なもの
次のものは、言葉で描写するより見せるほうが速くて正確です。
- 便・嘔吐物: 状態や色は写真で
- 歩き方の異常・ふらつき・発作のような動き: 動画で。診察室では症状が出ないことが多いため、家での動画は特に貴重です
- 皮膚や目の状態: 気づいた時点の写真(進行の比較ができます)
撮ったらすぐ、探しやすい場所(アルバムのお気に入りなど)にまとめておきましょう。
環境の変化を思い出しておく
フードの変更、新しいおやつ、拾い食いの可能性、引っ越しや来客、気温の急変——「そういえば」が診断のヒントになることがあります。
伝え方のコツ: 時系列で、最初から
診察室では、時系列で最初から話すのがいちばん伝わります。
「3日前の夜から食欲が落ちて、昨日は朝80gあげて30g、夜は0gでした。水は飲めていて、昨日は合計250ml。今朝6時に1回吐きました。吐いたものの写真があります」
記録をつけていれば、これは「思い出す作業」ではなく「読み上げる作業」になります。日々の記録がそのまま問診の台本になるのです。
聞きたいことは、質問リストにして持っていく
診察が終わって帰り道に「あれを聞き忘れた」——誰でも経験があります。事前に質問をメモにしておきましょう。よくある質問の例:
- 家で気をつけて観察すべきことは何か
- 食事や水分で、今日から変えるべきことはあるか
- どうなったら(何が起きたら)すぐ再受診すべきか
- 次の診察までに記録しておくと役立つ情報は何か
特に最後の2つは、次の記録の指針になるのでおすすめです。
記録アプリを見せるという選択肢
紙のノートでもメモアプリでも、時系列で見せられれば形式は何でも構いません。わんカルテを使っている場合は、日別サマリー(食事・水分・排泄・体重・投薬・症状)とグラフをそのまま見せれば、口頭説明の大部分を省略できます。
まとめ
- 「いつから・何回・何グラム・何ml」——数字で答えられる状態にしておく
- 便・嘔吐物・歩き方は写真と動画で
- 時系列で最初から話す。記録があれば「読み上げるだけ」
- 質問リストを持参し、「どうなったら再受診か」を必ず聞く